エリア特集

REALTY PRESS
渋谷

2021年9月16日

100年に一度とうたわれる整備計画によって
さらにパワーアップする街

若者の街、交通機関の主要ターミナル、ショッピングゾーン、
大規模再開発を経た「渋谷」は
さらに高いグレードを見据えた街のレボリューションに邁進しています。

街の根本課題解決へのチャレンジ

高層ビル街といえば、かつては新宿副都心の代名詞でした。昭和から令和へ時代の推移とともに、都心全域に高層ビルが林立する状況となり、とりわけ2012年の「渋谷ヒカリエ」の登場以降、駅周辺に5棟の高層ビルが相次いで出現した渋谷の光景には目をみはるものがあります。もっとも渋谷は、こうしたビルの進出以前から、首都東京を代表するスポットの一つとして日常的に取り上げられる活況な街でした。

しかし、さらなる街の発展や活性化という観点から見た場合には、飽和点に達しており、抜本的な整備施策を講じなければならない段階であったということも、こうした駅周辺の大々的な再開発の背景になっています。この手詰まり感の原因としては、渋谷の地形的特色に加えて、交通インフラの過度な集中にありました。現在、この混雑した課題解決のために、垂直と水平の十字ベクトルでの取り組みが同時に推進されています。

垂直ベクトルでの取り組み

東西南北を台地に囲まれた渋谷は、地名を体現するように駅周辺が「谷」状の低い平地になっています。その限られた平地にJR線、東急線、東京メトロなどの鉄道各線の発着点が集中し、さらには道路インフラとして明治通り、国道246号、首都高速3号渋谷線、果てはバスターミナルまでひしめいています。これらの乗降客に加え、駅周辺の商業施設への来訪者もあいまって、常時過剰ともいえる混雑状態でした。各交通機関の乗り換えなどの動線も非常に複雑な渋谷駅は、「迷宮」という不名誉なレッテルを頂戴してしまうほどでした。

渋谷にはこの駅を取り巻く東西南北の台地上に掛けて、いろいろなスポットが展開しています。かつては、例えば東側の台地上の渋谷一丁目辺りから南側の桜丘町への移動を想定した場合、坂を下り、混雑して動線が錯綜した駅周辺を通り抜けて、国道246号を跨ぐ歩道橋を上り下りし、また坂を上っていく、というルートが一般的でした。

このように、地形や交通機関の影響を受けた煩雑なルートをたどらざるを得ないことが、渋谷駅周辺におけるエリア間の回遊を妨げ、分断傾向をもたらしたことは否定できません。渋谷は「若者の街」として、映像等で日常的に取り上げられてはいますが、それは渋谷全体としてではなく、ハチ公前広場やセンター街に向かうスクランブル交差点周辺がほとんどであることも、街としての多様さや拡がりが浸透していない側面を物語っています。

目下進行中の再開発では、駅周辺のビルやそれらを取り巻く各種デッキによってこの歩行ルートの高低差という障壁を緩和することが計画されています。これらの再開発が完了した際には、渋谷ヒカリエの4階のフロアにいた場合、JR渋谷駅の上を通過する「スカイウェイ」と称される通路を経由することで、上り下りすることなく、駅の反対側の道玄坂方面の同じ高さの場所に行くことができるようになります。

また現段階でも、ある程度進んだ地下の整備によって、渋谷ヒカリエの地下から東京メトロ・東急東横線の改札口の横を経由して、同じフロアのまま道玄坂の上り口まで移動することができるようになりました。同様に2階・3階においても、東西エリアのフラットな相互アクセスが可能になるデッキや通路の整備が進められています。

そして、各階層に散在している交通機関の発着ポイントなどから、他の階層にアクセスしやすいように、エスカレーターやエレベーターを集中配置し階層間の移動をスムーズにする仕組みが実現されています。このユニバーサルデザインを意識したインフラは「アーバン・コア」と呼ばれ、スムーズな人流形成の決め手として、渋谷駅の東西方向には6か所設置される予定です。

駅の南北方向のアクセスについても、デッキの新設や面積を1.5倍に拡張した歩道橋、重要ポイントにおけるアーバン・コアの導入によってスムーズな移動動線の実現が計画されています。

このようにユーティリティの高いデッキなどの階層を垂直方向に多重に構築し、加えてアーバン・コアが有機的に階層間の移動を促進することで、渋谷特有の「土地の高低差」による行き来の不便さや、交通機関の乗り換えのストレスというデメリットを大きく軽減しようとしています。一帯の開発・整備工事の完了時には、駅を核として全方向へのスムーズな拡がりをみせる、従来よりも大きなモジュールが渋谷に誕生することになるでしょう。

水平ベクトルでの取り組み

こうして大々的に各種インフラの整備が進むことにより、駅を中心とした活性化は大いに進捗することが予想されますが、街としての「渋谷」のリフレッシュは、もっと広範囲な視野に基づいて推進されようとしています。

それは、「Greater SHIBUYA」構想というもので、駅を中心とした半径2.5㎞圏内を「渋谷の範囲」として捉え、面全体でのポテンシャルや人の回遊の向上を達成しようというものです。

2018年オープンの「渋谷ストリーム」、2020年オープンの「MIYASHITA PARK」、また2023年完成予定の「渋谷駅桜丘口地区」など、駅から放射状に伸びる地域への開発に伴って、インフラの整備は駅の周縁部にまで拡大していきますが、さらに駅から離れたスポットの整備・開発も、水面に波紋が拡がっていくように、この“水平ベクトル”を意識しながら進められていきます。

渋谷ヒカリエの東側の3街区からなる「渋谷二丁目西地区」計画が2029年度竣工予定で進行し、空港や各地方都市へとつながる高速バスターミナルも整備されることから、渋谷の交通利便性はさらに向上することが期待されています。

駅の北西方向では、2021年5月、高級住宅街「松濤」にほど近い東急百貨店のフラッグシップ店である「東急百貨店本店」が、ルイヴィトングループとパートナーシップを組みリニューアルすることが発表されました(2023年頃着手予定)。

すでに2019年に公会堂と併せてリニューアルされた渋谷区役所庁舎は、隣接して一際目を惹く「パークコート渋谷 ザ タワー」とともに、一足先にランドマークとして注目されています。また隣接する区画のNHK放送センターは、建築総延床面積約271,983㎡に及ぶ新放送センターの建設を近々に開始する予定です。

駅周辺の再開発の一段落に伴い、「Greater SHIBUYA」の舞台はこの外縁部にも拡張していくことが予想され、その際には現在進行している回遊施策が、十分な効果を発揮するようになることが期待されています。

現場から一言

伊藤昌弘

かつては若者が集う街であった渋谷は、近年においては、IT企業をはじめとしたベンチャー企業やスタートアップの起業家・実業家が集まり、“ビジネスを成長・拡大させていく拠点”として注目されています。

そうした人や投資資金の流入が街を作り替える大きなエネルギーとなり、渋谷駅周辺は、この10年余りで大きくその姿を変えました。駅前だけでも、2012年の「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、この2~3年は「渋谷ストリーム」「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷フクラス」「ミヤシタパーク」など巨大な複合ビルが次々と竣工しました。

また、現在進行中の再開発プロジェクトとしては、「渋谷駅桜丘口地区」(2023年竣工予定)や「渋谷二丁目17地区」(2024年竣工予定)、「渋谷スクランブルスクエア 中央棟・西棟」(2027年竣工予定)など、引き続き大規模な再開発事業が同時並行で行われております。

さらには、「都市再生ステップアップ・プロジェクト渋谷一丁目地区共同開発事業」をはじめ、道玄坂二丁目南地区や渋谷二丁目西地区においても再開発が計画されるなど、渋谷は未だ大きな変貌の途中にあります。

さらに発展し魅力を高める渋谷において、そのエリアに存する不動産も、その価値がますます高まることが期待され、国内外問わず、様々なお客様から注目されています。

私ども「渋谷オフィス」は、その渋谷を拠点として、都心部から城南地区の投資用事業用不動産に関するコンサルティング業務を行なっております。不動産に関する資産形成や有効活用、相続対策について、社内連携は勿論の事、三井不動産グループ内のネットワークを駆使し、お客様と共に考え、最良のソリューションをご提供させて頂きます。中長期のご計画なども含め、お気軽にご相談下さい。

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