三井不動産リアルティ

Vol.80 2021 12月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
いよいよ冬の到来を感じるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
コロナからの巻き返し、頑張るぞ!と意気込むも、気づけばもう師走。早いものです。
新年への期待を込めて、残りわずかとなった今年を元気に走り切りましょう。
それでは12月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

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今月のトピックス

Topics 1 家を買いたいアメリカ人が書く「ラブレター」
Topics 2 数値には現れない高齢者住宅の課題
Topics 3 老朽マンションの流動性を高める「要除去認定」制度

Topics 1

家を買いたいアメリカ人が書く「ラブレター」

 今回はアメリカ人が家を買いたい時に書く「ラブレター」の話です。

 アメリカで住宅を売る時は売主とその専任を受けた不動産仲介業者が二人三脚で売却を進めます。売出し価格、その他の条件を整理して「売り物件」としますが、その後、売却がどのようなプロセスをたどるかは、ケース・バイ・ケースです。

 典型的には、まず購入希望者からの「オファー」を集め、仲介業者は集まったオファーについて比較しアドバイスをしますが、最終的には売主本人がどれか一つを選びます。

 「より高い価格であること」が当然、最も重視されます。市場へ売出した価格より高いオファーもよくありますし、ビッド合戦となって競りあがっていくこともあります。

 支払い方法が全額現金なのかローン併用なのかも重視されます。日本よりもローン審査で落ちるケースが多い上、ローンだと現金より入金が遅くなります。これら以外にもいろんな条件があり、もろもろを比較した時にどのオファーを選ぶべきか迷うことがあります。

 そこで出てくるのが「ラブレター」です。

 これは購入希望者がオファーと一緒に売主あてに出す手紙のことで、「自分たち家族はあなたの家を気に入りました。ぜひ私たちを選んでください」と、情に訴えるわけです。

 長さは1ページがちょうど良く、ファミリー・ヒストリーの様なものは長すぎて読んでもらえません。また「公正住宅法」には注意を要します。この法律は「売主は人種や宗教等で差別して買主を選んではいけない」としています。ラブレターには自分の人種や宗教等を書くべきではなく、またそれらが分かる家族写真の同封も好ましくありません

 一つの物件に集まるオファーは、平常時にはせいぜい数件でした。しかし2020年の夏の終わりから住宅価格が上昇を始め、その後、市場が過熱し売りの在庫数も少なくなりました。オファーが50件というのは普通で、100件以上集まったというのも珍しくありません。

 これに伴い、昔は一種の裏ワザだったラブレターも常態化し、出す方は物件をいちいち見には行かず、コピペでラブレターを乱発している状態になりました。

 以下でご紹介するのは、ある「プロの作家」がオファーを6回連続で蹴られ、奥さんと一緒に本気で書いたラブレターの一節です。やけになりながら書いている可能性があります。
「売主様:夕暮れ時、キッチンへ差し込む光りが柔らかく輝く様子を好きになりました。」
「売主様:郵便受けの横に立っているカエデの木に幸せを感じました。」
「売主様:焚き火の香りで風に揺れる庭の木々と、裏庭にあったバスケットボールに心をひかれました。ご自宅の前を通った時に聞こえたガレージを閉める音が胸をうちました。」

 アメリカ人達もなかなか苦労が多いようです。

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

数値には現れない高齢者住宅の課題

 現在、日本は深刻な少子高齢化が進んでいます。グラフにあるように、75歳以上の後期高齢者人口比率は今後も増え続け、約40年後の2060年には27%を超える予測となっています。

 この予測を受け、国土交通省と厚生労働省は高齢者向け住宅の整備を進めており、2000年からの20年間で見ると、民間企業が運営する施設である有料老人ホーム(住宅型+介護付)の室数は2000年の約4万人分から10倍以上の約54万人分に、2011年に制度化されたサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)も約9年で25万人分に近づく勢いで増加し、グループホームも20万人分を超えました。

 公的高齢者住宅数は、特別養護老人ホーム約62万人分、介護老人保健施設約36万人分、軽費老人ホームなど15万人分の整備が済んでおり、現在の整備状況は民間、公的併せて約210万人分以上です。この整備数は2020年の75歳以上高齢者数(1,872万人)の1割強程度に留まっています。さらに、高齢化と同時に進む少子化(DINKS層の増大等)を考えれば、親族が介護し得ない世帯は確実に増加する見込みで、結果的に介護付の高齢者住宅の需要は高まると考えられ、この点からも、まだ開発の余地がある市場と考えてられてはいます。

 年齢別人口予測を見ると、75歳以上人口は2030年以降横ばい推移であり、実数的な増加は2030年迄です。その時点での需要は多く見て240万人程度と見込まれますが、現段階での約210万人分の整備状況から、逼迫状況に陥っている懸念はあまり強くないと予想されます。

 しかし、こうした表面的な数値とは別に、不安要素はいくつも介在します。例えば、現状の高齢者住宅では対象外となる中所得者層の存在があります。高齢や単身を理由に、賃貸住宅居住の継続が困難になった場合などに対応する高齢者専用賃貸住宅の供給が、絶対的に不足している点は、喫緊の解決課題です。

 また、公的住宅、サ高住のどちらをとっても、財政事情や介護・福祉制度のキャパシティによるものと思われる地域間格差が大きく存在していることも看過し得ない問題点の一つです。

 今後、一層注目が高まる高齢者住宅については、豊富なノウハウと実績を蓄積した事業主体による、安定した運営が希求されており、行政が推進していく「地域包括ケアシステム」等とも、有意義なネットワークを構築していくことが期待されています。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

日本の将来推計人口
三井不動産リアルティのシニア向けサポートサービス

Topics 3

老朽マンションの流動性を高める「要除去認定」制度

デッドストック化の危険がある老朽マンションに対して、「建て替え」や「敷地売却」など、資産価値の流動性を高める施策が12月から施行されます。

「REALTY-news」をお読みいただきまして、
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