三井不動産リアルティ

Vol.76 2021 8月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
入道雲とヒマワリ、上に向かって伸びるものが元気なこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
今が旬で夏バテ防止メニューに必ず登場するニラは、
古くから栽培されており古事記にも記載が存在します。
ベータカロテンが豊富で疲労回復や健康増進にも効果があるこの野菜で、暑さを吹き飛ばしたいものです。
それでは8月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

投資用不動産マーケットレポートを公開しました。ぜひご活用ください。
投資用不動産マーケットレポート(2021.1Q)

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今月のトピックス

Topics 1 ディズニーランド・パリが担った近郊の都市開発の核としての役割
Topics 2 大手企業の自社ビル売却による賃貸オフィスマーケットへの影響は?
Topics 3 世界中でニーズが増大しているデータセンター事業

Topics 1

ディズニーランド・パリが担った
近郊の都市開発の核としての役割

 ディズニーランド・パリが新型コロナによる休園を終えて、6月17日に再オープンしました。「家族がいる自宅へ戻ったようだ」と表現するメディアがあり、驚きました。このテーマパークについてはフランス人からは長い間、悪口しか聞こえなかったからです。

 世界各地のディズニーランドは巨大都市開発の一部という面を持つものがあります。

 日本のディズニーランドもきっかけは「京葉工業地帯」です。昔の千葉県には埋め立て工事に必要な資金がありませんでした。民間会社が費用を立て替えて埋め立てをし、完成した土地を県から払い下げを受けて未収金を相殺、こうして得た土地は工場用地として外部へ売却、やっと現金の回収ができたわけです。「京葉工業地帯」はこの繰り返しで完成しました。

 しかし浦安地区を埋め立てる頃には千葉県は、「工場はもういい。遊園地とするなら認める」としました。当時のオリエンタルランドは銀行への信用力がなく、最終的には三井不動産がピーク時で1600億円超にも達する超巨額の債務保証を行いました。東京ディズニーランドは財務的にはこの債務保証により得た資金のおかげで実現しました。

 ディズニーランド・パリにも都市開発という面があります。ナポレオン三世による都市改造から時代が過ぎ、パリ市は過密の分散のために近郊5地域を衛星都市に指定しました。ディズニーランド・パリはその中のひとつの核となる巨大事業という位置づけでした。

 フランスはスペインとの激しい誘致合戦には勝ったわけですが、苦難は1992年のオープン頃から激しくなります。「レストランでワインを出さないのはフランス文化への挑戦」「ミッキーマウスとは所詮は『ネズミ』」「シンデレラや白雪姫はヨーロッパ起源の話でそれをアメリカ人が焼き直したものをわざわざ見る意味はない」と、散々な言われ方をしていました。

 ディズニーへの反発はさらに過激化し、鉄塔に仕掛けられた爆弾でホテル群が一時停電、農民たちはトラクターを繰り出して道を封鎖しました。客足は非常に悪く、開業の2年後には「閉鎖もありうる」とされました。1995年に親会社のディズニーへの上納金を大幅に減らして初の黒字となったのですが、2014年には親会社から10億ユーロ(1300億円)の巨額救済、2017年には親会社が持ち株会社の株式を97%に買い増すという多難さだったのです。

 しかし、新型コロナを経て再オープンすると、まったく違う景色が見えているわけです。なにしろ、あのフランス人が「家族がいる自宅へ戻ったようだ」と感じているのです。

 オープンから29年、ミッキーやミニーたちのファンはヨーロッパの全域に広まっていました。「アナと雪の女王」や「スター・ウォーズ」がテーマのエリアも予定され、スペース・マウンテンにはフランスの作家、ジュール・ヴェルヌの小説のモチーフが取り入れられています。

 ディズニーの世界観には普遍的なものがあるように思えてしかたがありません。

(ユーロ=130円 2021年7月30日近辺のレート)

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

大手企業の自社ビル売却による
賃貸オフィスマーケットへの影響は?

 「大手企業の自社ビル売却」が注目されています。

 例えば、電通は汐留の本社ビル(地上48階・地下5階、延床面積約70,000坪)を推定3,000億円で売却し、売却後も電通が使用する(賃借する)予定であることが報じられました。電通以外でもエイベックス、JRグループ、リクルート、近鉄など「本社ビルを売却する企業」が増えています。

 きっかけはコロナ禍の影響(テレワーク比率が高まり、稼働していないオフィススペースが増えたことでの見直し等)が大きいと言われますが、経営環境の激変に対してどれだけ臨機応変に対応できるかを考えれば、本社ビルに維持費をかけるよりも、必要に応じたスペースを賃借するほうが、柔軟な企業経営には合理的という判断も正しいと考えます。

 一方、電通本社ビルやエイベックス本社ビルなどの売却により、都心の大型賃貸オフィス市場にどのような影響が生じるかを考えてみます。まずはマーケットサイズですが、電通本社ビルの延床面積は約70,000坪、エイベックス本社ビルは約3,000坪(共に港区内)、港区のオフィス総延床面積は、約429万3,000坪(三鬼商事・2020年12月時点)ですので、この2つの本社ビルが賃貸オフィス化したとしても、そこまで市場に大きなインパクトを与えることはなさそうです。

 賃料についても、これら2つの物件は総じてオフィス立地としては良い場所にあるため、平均以上の賃料設定は期待できるものの、シェアを考えればこちらも港区のオフィス賃料相場に影響を与えるレベルではありません。もっとも、非常に狭いエリア、例えば電通本社ビルであれば、そのサイズゆえの新橋・汐留周辺市場に対する影響は予測できるものの、実際は、従前企業がそのまま入居を続け、「ほぼ流通しない商品」なので、やはり直接的な影響は少ないと考えます。

 結論として、大手企業の自社ビル売却は、その殆どが経営環境を考えた際の、「本社ビルを所有することのメリット」と「所有せず、賃借することで生まれるメリット」を比べた結果に起因していて、マーケットへの波及効果を鑑みなければならない懸念も少ないということです。今後も、自社ビルを持つことで得られる老舗感といったブランド効果よりも、経営効率を重視する企業が増えていくと思われます。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

港区の賃貸オフィス 延床面積&空室率推移

Topics 3

世界中でニーズが増大しているデータセンター事業

ECの増大にともない伸長する物流市場にシンクロして、拡大しているデータセンター事業。予想される将来的需要の大幅な上昇に加えて、インバウンドの進出や国内事業者の活性化もあり、急速な成長局面が展開している現状をレポートします。

「REALTY-news」をお読みいただきまして、
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