三井不動産リアルティ

Vol.74 2021 6月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
梅雨の晴れ間に夏の訪れを感じるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
6月の花の代表といえばアジサイ。
アジサイは土壌のph(酸性度)によって花の色が変わり、
リトマス試験紙とは逆に酸性ならば青、アルカリ性ならば赤になるといわれています。
アジサイのように、長雨の日々も爽やかに過ごしたいですね。
それでは6月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

税金の手引き2021年度版を公開しました。ぜひご活用ください。
税金の手引き(事業用)

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今月のトピックス

Topics 1 ITを用いた住宅の「フリッピング(買取り転売・iBuying)」
Topics 2 アフターコロナを見据え、活発な動きを見せるラグジュアリーホテルマーケット
Topics 3 多彩なニーズの同時実現に向けて相次ぐ巨大再開発計画

Topics 1

ITを用いた住宅の
「フリッピング(買取り転売・iBuying)」

 住宅を買って短期で転売し利ザヤを狙うことを「フリッピング」と言い、アメリカでは中古の一戸建て住宅でよく見られます。フリッピングは2000年代前半の住宅ブームの時にも多発しましたが、この時の主役はサブプライムローンを利用した個人投資家でした。

 今は個人投資家よりも企業によるものの方が目立ちます。その中でITの活用に長けた、いわゆる「不動産テック(IT不動産会社)」が行っているフリッピングをご紹介します。

 一種のはやり言葉に、「iBuying(アイ・バイイング)」があります。不動産売買手続きはアメリカでも「紙の書類」のかたまりですが、部分・部分のIT化が進みました。それらをつないでクリック一つで売買手続きが完了するようにソフトを組んだ不動産テックたちが登場、このような不動産(住宅)の購入の仕方が「iBuying」と呼ばれています。

 一方で物件情報のオンライン化が格段に進み、価格査定の精度も高くなりました。アメリカの中古一戸建て住宅は郊外の広大な造成地内に建つ画一的な物が多く、アルゴリズムで高い精度の査定価格が得られます。日本の中古の一戸建ての多様さと事情が異なります。

 不動産テック各社は「市場に割安に出た物件」を直ちに捉えて買い、多少の修繕や手直しをしてから売却(フリッピング)します。中には「買いから売りまで」をすべてコンピュータに自動的にさせようと試みている、横着な不動産テックもあるようです。

 iBuyingによるフリッピングの大手にはジローやオープンドア、オファーパッドがあります。しかしフリッピング事業で安定的に利益をあげている不動産テックはまだありません。

 最近、iBuyingにより購入された物件のフリッピング先に「戸建て住宅レンタル」と呼ばれる機関投資家があることがわかりました。戸建て住宅レンタル各社は大変な数の住宅を保有・賃貸しているのと同時に、常時、市場から仕入れています。しかし両者のような組み合わせは問題だとの声があります。

 めぼしい新規の売り物件がジローのサイトに入った時に、一般公開される前にジローがiBuyingで先回りして買い、それをフリッピングして戸建て住宅レンタルの会社に売っているわけです。ジローとしては直売ですので仲介手数料が不要になりますが、これでは一般の購入希望者は物件情報に触れることすらもできません

 今のところ、不動産テックと戸建て住宅レンタルが結びついてフリッピングされた例は、まだ多くありません。「iBuyingで先回りして購入して転売する」というのは、株式市場で大型コンピュータを用いて行われている「高速取引」とそっくりな面があります。

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

アフターコロナを見据え、
活発な動きを見せるラグジュアリーホテルマーケット

 新型コロナウイルス感染症の蔓延によって大きな影響を受けているホテルマーケットの中でも、海外からの格安ツアー客を受け入れていたリミテッドタイプ(宿泊特化型ホテル≒ビジネスホテル)が苦戦を強いられています。

 特に東京や大阪など、外国人観光客を多く受け入れてきた地域での影響が大きく、度重なる緊急事態宣言発出により国内外の移動が制限されたことも含め、宿泊者数の減少から廃業するホテルが多くなっています。

 一方ラグジュアリーホテルに関しては、東京以外にも日本各地で開業が続いており、直近では京都市に「フォションホテル京都」、大阪市にマリオット・インターナショナルの最上級ブランド“W”を冠する「W大阪」が開業、12月には秋田でIHGホテルズ&リゾーツ「ANAクラウンプラザホテル秋田」も開業予定です。2020年開業では奈良県初のインターナショナルラグジュアリーホテル「JWマリオット・ホテル奈良」やハワイ・オアフ島の名門ホテルが運営する「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」、中禅寺湖畔の「ザ・リッツ・カールトン日光」などがあります。

 日本国際観光学会によるホテルの分類基準では、ラグジュアリーホテルの目安は、客室単価4万円以上、客室面積40平米以上と定められてはいますが、その評価ポイントとして設備面だけではなく、最上級のホスピタリティをベースにスタッフや逗留客同士の良好なコミュニティが国境、世代を超えて築かれていく点を重視しているユーザーも多く、そうなるとホテルの利用はリピートが基本になってきます。本来、そうしたステイタスを既に保持している外資系の高級ブランドホテル誘致には時間がかかり、用地の選定から始めるとしたら5年以上は必要であることから鑑みると、これらの開業計画の多くは、コロナ前からスタートしていたはずです。つまりは、新型コロナ感染症以前のタイミングで、各外資系ブランドは日本でのラグジュアリーホテル開業に商機を見出しており、コロナ禍で宿泊者数が激減する状況下でも、収束後の需要増というプラスの反動を見越して開業に踏み切ったり、収束後、早期に回復するであろう需要を取りこぼさないタイミングでの開業を計画しています。

 実際、コロナ以前の時期で多くの地方都市で「海外のハイクラス層が利用する高級ホテルの誘致」検討が盛んにおこなわれていました。多くの開発担当者が、海外の富裕層が宿泊するにふさわしいホテルを誘致することが地域ブランドの引き上げにつながると考えていて、進出側も受け入れ側も「ハイクラス層の需要は顕在」と判断していたことが、相次ぐラグジュアリーホテルの開業につながったといえます。

 現状を見れば、まだ、日本のコロナワクチン接種率は低く、すぐにインバウンド客の受け入れは難しい状況ではありますが、長くとも今後1年程度で状況は改善するはずです。アフターコロナのインバウンド需要増加を見込んだ動きは今後も活発に続くと考えられ、ラグジュアリークラスを牽引者としての早期のホテル市場回復が期待できます。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

外国人延べ宿泊者数推移

Topics 3

多彩なニーズの同時実現に向けて相次ぐ巨大再開発計画

グローバルマーケットにおける復権を期する首都「東京」。超高層オフィスビルや、ミッドタウンの登場などの再開発ラッシュによってその核心を形成しつつある八重洲・日本橋エリアをレポートします。

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