三井不動産リアルティ

Vol.58 2020 3月号

REALTY - news

いつもお世話になっております。三井不動産リアルティ REALTY-news事務局です。
記録的な暖冬からこのまま春になってしまいそうなこの頃、いかがお過ごしでしょうか。
例年ならば、桜の開花時期が気になるこの季節ですが、どうも気分が晴れません。
まずは手洗い、うがい、人が多い場所では可能な限りマスク。
もう少しの辛抱となることを願いつつ、3月の「REALTY-news」をどうぞ。

投資・事業用不動産に関する情報誌「REALTY PRESS」を当社ウェブサイトにて公開中です。是非、ご覧ください。

REALTY PRESS

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今月のトピックス
Topics 1 破綻したフォーエバー21をモール大手等の3社がわけありで共同買収
Topics 2 首都圏の物流施設マーケット近況
Topics 3 トヨタが展開するCRE施策、「WOVEN CITY」

Topics 1

破綻したフォーエバー21をモール大手等の3社がわけありで共同買収

 女性物が中心の低価格衣料品チェーン、フォーエバー21を、アメリカのモール最大手のサイモン・プロパティと投資会社のブルックフィールドと、もう一社の合計3社が共同で買収しました。買収価格は8100万$(82.6億円)の模様です。

 ブルックフィールドは2018年にモール第2位のGGPを完全子会社化しています。従って今回の買収はモールのトップ2社が組んだ異例の買収です。なぜこのような買収になったのかを見てみたいと思います。

 フォーエバー21は韓国系アメリカ人が1984年に創業、2000年代に急拡大したのですがその後、経営不振に陥り、2019年9月に破産申請しました。この時点では世界で800店舗とされ、日本でも10数店を展開していました。同社は元々は小規模な店舗で営業していたのですが、ある時期からモール内でかなり大きな店舗を構えるようになりました。

 特徴はとにかく安いことで、当然薄利で、相当な高回転だったはずです。若い女性の支持を得ていたのはいいのですが、商売の仕方について批判されることが多い会社でした。他社のデザイナーが出した新作をただちにコピーしてイミテーションを格安で売るので、著作権侵害訴訟を数多く抱えていた時期があります。さらに出店しようとするモールに、近傍の同社の店の売上げを実際の3倍と、うその説明をしたとしても訴えられています。

 破綻に到った原因はいくつかあります。飽きられたとか、H&Mやザラも似たような安い価格の商品を売り始めたとか、店舗を大きくし過ぎて低価格路線の生命線である商品の回転率が悪くなったというような問題が指摘されています。

 一方、アメリカのモールは苦戦中です。モールでは核店舗はデパートが最も多いのですが、倒産や閉店が相次いでいます。専門店の中では店舗面積がとても大きいフォーエバー21に倒産・閉店されてしまうと、後継テナントを見つけてくるのはかなり難しい状況です。

 サイモン・プロパティの場合、稼働率は90%とまずまずなのですが、既存のテナントからはモール内の大型テナントや隣近所のテナントが閉店したことを理由とした賃料減額要求を、多数受けています。このような中、フォーエバー21は同社のモールのうち98ヶ所に入居、基本賃料ベースが同社のテナント中で第7位という大口の賃貸先でした。

 サイモン・プロパティは時価総額で世界最大級の不動産会社ですし、GGPも非上場にはなりましたが相当巨大なので、フォーエバー21くらいなら買収しても大したことはありません。同社を生かして自社のモール内の店舗だけは閉店させずに継続させようというのが、今回の買収でのモール大手2社の最大の狙いと思われます。

($=102円 2020年3月9日近辺のレート)

ジャパン・トランスナショナル 代表 坪田 清

Topics 2

首都圏の物流施設マーケット近況

 近年、首都圏の大型マルチテナント型物流施設(LMT)の“稼働率が非常に高い”状況が続いています。CBREの直近の発表では、2019年第4四半期、首都圏のLMT空室率は1.1%。第2四半期、第3四半期も2%台であることから稼働率は98~99%で、新規に借りる事は殆ど出来ない状況で、空室率1.1%はCBREが調査を開始した2004年以降、最も低い数値です。さらに2019年の年間新規需要量は705,000坪であり、これも過去最高です。新規の供給は当然有るものの、需要に追い付かない状況になっています。首都圏以外の近畿圏、中部圏でも需要増と空室率の低下が続いており、全国的に物流施設の需要増と供給不足が続いています。

 このような中で、マンション用地の取得難と取得価格の高騰化、施工費の高止まり、販売価格の上昇などにより、売れ行きの低迷が続く分譲マンションマーケットを主戦場としていたマンションデベロッパーが、物流施設開発に力を入れてきています。

 物流拠点を開発し、リーシング収入を得るビジネスは、賃貸住宅開発のスキームに似ていることに加え、これまでマンション用地として検討してこなかった土地も候補に入ってくる(検討の幅が広まる)ことがメリットとして大きいといえるでしょう。

 近年、LMT開発に力を入れているのは三菱地所、伊藤忠都市開発、三井不動産、野村不動産、トーセイ、日鉄興和不動産、東急不動産、日本エスコン、東京建物等。さらに、早くからこの事業に参入して、主にオーダーメード型物流(BTS)を展開していた大和ハウス工業も近年、LMT開発に乗り出してきています。

 新規参入手法としては、まずは外資系大手とJVで開発ノウハウを学び、自社ブランドを策定したうえで施設開発に参入する…といった流れで、景気に左右されにくいという物流施設の運営の安定性に着目した所以でもあります。

 投資先としての物流不動産は非常に将来性も高いものの、様々な要因から都市化も進んでいるため、建設用地価格・賃料水準共に高くなっています。開発者にとっては「用地取得難」が問題化してきている部分は否めませんが、今後も一層注目されるマーケットであるのは間違いないでしょう。

株式会社 工業市場研究所 川名 透

首都圏LMT 空室率・賃料推移


Topics 3

トヨタが展開するCRE施策、「WOVEN CITY」

2020年1月、ラスベガスで開催された見本市「CES 2020」で、トヨタは世界遺産「富士山」の麓 裾野市で、さまざまな先端テクノロジーを取り入れ、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「WOVEN CITY」を展開するプロジェクト概要を発表しました。

▼記事の詳細については、こちらから、ご覧いただけます。

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