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今回は「高輪・品川」をテーマにした新着記事をご紹介いたします。

エリア特集 新駅とリニアで「高輪・品川」が変わる
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新駅とリニアで「高輪・品川」が変わる

山手線49年ぶりの新駅「高輪ゲートウェイ駅」

 品川駅西側から三田三丁目付近にかけては、「高輪台地」と呼ばれる高台が広がっています。国道15号線沿いの低地が海抜約4から6メートルであるのに対し、高輪台地の標高は概ね25から28メートルであり、港区内の台地では一部30から40メートルに達する地点も見られます。この南北に連なる高台の地形は、古くは「高輪」あるいは「高縄手」と呼ばれ、これが高輪という地名の由来になったともいわれています。

 この高台一帯には、江戸時代には寺社や大名屋敷が多く立地し、明治期以降はお屋敷街として良好な住宅地が形成されました。閑静な環境でありながら交通利便性にも恵まれていたことから、これらの邸宅跡地には、後年、プリンスホテルをはじめとするホテルが集中的に進出しました。

 一方、明治期までは台地の足元まで海岸線が迫っており、平地は狭小で、大規模な産業集積には適さない地形でした。埋立などによって東側に土地は拡張されたものの、主に鉄道の車両基地として長期にわたり利用されてきました。

 このように、高輪エリアは事業・産業用途としての集積は限定的でしたが、2014年にJR東日本が発表した計画を機に、大きく様相が変化することになります。

 計画の内容は、山手線・京浜東北線の品川駅から田町駅間に、1971年の西日暮里駅開業以来の新駅を開設するとともに、車両基地の西側に敷設され国道15号線に隣接していた両線の線路を、車両基地の東側へ移設するなどの整備を行い、約13ヘクタールの用地を創出するというものでした。

 新設された山手線・京浜東北線の「高輪ゲートウェイ駅」に並行する新たな用地は6つの街区に分けられ、ビジネスと文化の基盤となる国際交流拠点「グローバル ゲートウェイ」をコンセプトに再開発が進められています。その中核となる「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、敷地面積約7万4,000平方メートル、延床面積約84万5,000平方メートルという規模で、4つの街区にまたがって整備されました。

 街区4に立地する、オフィス、商業施設、コンベンション・カンファレンスホールなどで構成されるツインタワー「THE LINKPILLAR 1」は、2025年3月に開業しました。KDDI、ウミオス(旧マルハニチロ)、神戸製鋼所などが本社を移転し、23~30階には、世界最大級のホテルチェーンの一つであり、首都圏初進出となるマリオット・インターナショナルの最高級ブランド「JWマリオット・ホテル東京」が開業しました。

 2026年春には、街区3に地上31階建ての超高層ビル「THE LINKPILLAR 2」が登場、フレキシビリティの高いオフィスフロアに加え、商業施設やクリニック、フィットネス施設を備え、ビジネスワーカーの街での暮らしを支えるだけでなく、エネルギーセンターや地域冷暖房設備※1を有し、街全体に環境性能の高いエネルギーを供給します。災害時においても電力・熱の確保が可能で、街のレジリエンス向上に寄与します。

 また、街区2には、約1,200人を収容するライブ・パフォーマンス空間、約1,500平方メートルの展示室、約200平方メートルの畳スペースを備えた文化創造棟「MoN Takanawa:The Museum of Narratives」が整備され、街区1には、地上44階建ての高層高級賃貸住宅「TAKANAWA GATEWAY CITY RESIDENCE」が建設され、職住近接を実現しています。

 「TAKANAWA GATEWAY CITY」の西側、国道15号線沿いにおいても、再開発や各種整備計画が進行中です。

 都営浅草線「泉岳寺駅」と一体となって整備が進む「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」は、2031年度の竣工を予定しており、駅の拡張工事に合わせて地下鉄「泉岳寺駅」直結の地上30階建て、385戸の共同住宅、オフィス、商業施設からなる複合ビルが建設されます。この建物は「THE LINKPILLAR 2」とデッキで連結します。

 さらに、「THE LINKPILLAR 1」と国道15号線の間に位置する敷地では、2031年の全体供用開始に向けて、ホテルや商業施設からなる地上25階建てのビルと、共同住宅、オフィス、商業施設からなる地上23階建てのビルの建設が進められています。これらの整備により、「TAKANAWA GATEWAY CITY」と一体となったエリアは、高層ビルが集積する大規模オフィスゾーンへと進化していきます。

リニア中央新幹線の開業へ「品川駅」

 品川駅における目下最大の話題とも言える計画は、リニア中央新幹線の開業ですが、それ以外にも新たな交通インフラの整備計画が複数、並行して進められています。

 東京メトロ南北線は、白金高輪駅から品川駅までの新ルートを、2030年代半ばの開通を目標に計画しています。この路線が開通することで、六本木など都心エリアからリニア中央新幹線などへの、また品川駅で京浜急行に乗り換えることで羽田空港へのアクセス性も向上します。これは、港区が掲げる「港区まちづくりマスタープラン」※2において、国際競争力の向上を図る具体施策の一つと位置づけられています。

 さらに品川駅では、京浜急行のホームを2面4線へ拡張するとともに、ホーム全体をJR各線と同じ地上レベルへ移設、地平化させる計画が進められています。これにより、行先・種別ごとの発着ホームの分離が可能となるほか、現在は京浜急行が高架化されているため、東西自由通路が一旦地上へ迂回せざるを得ないという不便が解消され、より円滑な移動動線が確保されます。

 また、京浜急行「北品川駅」までの区間で連続立体交差事業が進められ、両駅間に存在する複数の踏切が解消されることで、列車および道路交通の円滑化が図られます。ホーム移設後の跡地には、オフィス、商業施設、宿泊施設などを主要用途とする「(仮称)品川駅街区地区 南街区(南-a)・(南-b)」、および同様の用途で構成される「(仮称)品川駅街区地区 北街区」が計画されており、地上28階建てのビルの他、複数の高層ビルによる再開発が2037年までの期間で進行します。

 利便性向上に向けた交通インフラ整備は、品川駅構内外における鉄道関連工事にとどまりません。国道1号線に高輪台付近で接続し、品川駅北側においてJRおよび京浜急行の線路を橋梁で跨ぎ、旧海岸通りへと4車線で接続する延長約1,270メートルの都市計画道路「環状第4号線」の整備も進められています。

 この道路の開通により、品川駅東口・西口間の動線が強化されるとともに、線路上の人工地盤に整備される「品川駅北口駅前広場」とも結節し、周辺地域における道路交通機能の大幅な向上が期待されています。

 街区インフラの整備は品川駅敷地内にとどまらず、隣接するエリアにおいても大規模な再開発が計画されています。東側を国道15号線、南側を柘榴坂、西側を二本榎通り、北側を建設中の環状第4号線に囲まれた約14.7ヘクタールの用地では、既存のプリンスホテルの一部施設を残しながら、4つの区画に分けた再開発が進行しています。

 このうち、品川駅に最も近接する区画には、オフィス、商業施設、宿泊施設、MICE機能などからなる地上29階建てのビルが、2029年度の竣工予定で建設され、トヨタ自動車が東京本社を移転することが既に発表※3されています。

 その西側、柘榴坂に面した区画には、地上31階建てのオフィス・商業施設棟と、住宅・宿泊施設棟、MICEなどで構成される施設が2032年度に完成予定です。さらに北側の区画には、オフィス、商業施設、住宅、産業支援施設などからなる地上29階建てのビルが2029年度に、北西角地には住宅や商業施設を主とする地上34階建てのビルが2030年度に、それぞれ建設される計画で、当該用地内には合計5棟の高層建築物が新たに誕生することになります。

 これら一連の再開発により、当該エリアのオフィス立地としてのポテンシャル向上が見込まれています。品川・高輪エリアの賃料水準は、2019年時点では港区全体を下回っていましたが、2024年以降はほぼ同水準に達しており、今後はさらに上回る可能性も指摘されています。

 高輪から品川駅周辺にかけて進められる基盤整備は、東京という都市全体の構造バランスにも影響を及ぼし得る規模を有しています。その背景には、都市の魅力と国際競争力の向上を目的として内閣に設置された「都市再生本部」(本部長:内閣総理大臣)が示した、品川駅・田町駅周辺地域に関する方針※4があるといえます。

 この方針では、リニア中央新幹線の起点であり、羽田空港への高いアクセス性を備えるこのエリアを、世界へ向けたグローバルな結節点として位置づけ、品格ある迎賓都市・開かれた街へと転換していくことが掲げられています。

 今後さらに増加が見込まれるインバウンド需要に対し、本エリアは、業務、商業、研究、交流、宿泊、居住、教育、文化といった多様な都市機能が集積する新たな拠点となることが期待されています。同時に、従来からの良好な住環境を基盤に、公園などと一体となった緑豊かな景観を形成し、回遊性の高い歩行者ネットワークを整備することで、日本の玄関口にふさわしい迎賓空間の創出が目指されています。

※1:地域冷暖房とは、1つまたは数カ所の熱源プラントで冷水・温水・蒸気をまとめて作り、地域導管を通じて街区全体のビルや住宅に供給し、効率的に冷暖房や給湯を行うシステム

※2:2017年3月発表

※3:出所 2024年3月22日ニュースリリース

※4:出所 「品川駅・田町駅周辺 まちづくりガイドライン 2014」・2020年改訂

大規模ビル 賃料推移
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